2020年に次女が1型糖尿病と診断されました。その事についても書いていきたいと思います。
今回は、長男が1歳4か月の時に起きた出来事を。
忘れもしないあの日。10月20日。
まだ、このマンションに越してきたばかりの時でした。
近くに何があるのかも殆ど把握していない時でした。
旦那は地元なので何処に何があるか分かっています。
私は、スーパーや病院など何となくの場所しか知らない時期でした。
義父母の家はすぐ近くです。
あの日は、秋にしてはものすごく寒い日でした。
前日から長男が発熱し、旦那は仕事の為、昼間は義父母に病院の送迎・旦那の仕事が終わるまで義実家に居させてもらった日でした。
初めての子どもで、発熱時はどうしたらいいのか分からず、とても不安だったんです。
長男は発熱はしていましたが、よく動くし、離乳食もミルクも飲んでいました。
旦那の仕事が終わって迎えにきてくれたので、そのままマンションに帰宅しました。
私が長男を抱っこして、旦那が荷物を持って…。
風も強かったので、熱い体の長男をしっかり抱きしめながらエントランスへ。
マンションのエントランスキーを開けようと、鍵を出した瞬間!!
急に、長男の体がグイーンと向こう側へ反り返ったんです!!
よく元気に遊んでいる時に反り返ったりしていたので、今回もそんな感じなんだろうと思いました。
意外と元気だなー。なんて呑気に考えて、長男の体を元に戻すと!!!
長男の目が左右にそれぞれ向いて、顔も歪み、体が硬直していたんです!
口から泡も吹いて…。
荷物を持った旦那が私の後ろに立っていたので、慌てて振り返りました。
『ねぇ!!長男がっ!!』
ヒステリックな声で、マンションに響き渡る程大きい声だったと思います。
私の声に驚いていた旦那でしたが、私のただならぬ様子と長男の顔を見た瞬間、全てを理解したんだと思います。
手に持っていた荷物を放り出して、すぐに長男を抱きしめました。
『どうした?!大丈夫か?!』
長男を旦那に預け、荷物の中から急いで携帯を取り出しました。
こういう時、どうすればいい?
何で長男はこんな顔で泡を吹いてるの?
誰か…!!
震える手で携帯を握りしめて、119番に電話をしました。
人は恐怖で震えると、簡単な119さえちゃんと打てませんね…。
何度も打ち間違えながら、やっと電話をしました。
『はい。119番消防指令センターです。火事ですか?救急ですか?』
震える声で『救急です』と答え、マンションの住所と何処にいるのかを確認されました。
救急車が到着するまで10分かかります。とも。
救急車が到着するまでの間、電話はずっと繋がったままで、
長男の様子はどういう状態か。
息はしているか。
横に向かせて寝かせてください。
など色々と教えてくれました。
体感としてはかなり長かったですが、恐らく5分もかからずに救急車が到着しました。
救急隊の方に状況等を話すと、すぐに小児の救急外来を探してくれました。
私の住む所は田舎の方なので、小児が診られるのはここから40分程かかる病院しかありません。
旦那と共に救急車に乗り込んで、病院へ。
その頃には、長男の歪んだ顔は戻っていましたが、いっこうに目を覚ましません。
私がどんなに声を掛けても反応しませんでした。
何でこうなったのか。
あの歪んだ顔は何だったのか。
このまま長男は目を覚まさず、何らかの障害を持つのか。
頭の中でグルグルと同じような事ばかり回っていました。
目の前が真っ暗になる感覚でした。
ーーーーーーーーーーー
【熱性けいれん】
これは、病院で長男が診断されたものです。
私は、初めてその言葉を聞きました。
発熱した子供に比較的よく起こる物らしく、長男が着く少し前にも熱性けいれんのお子さんが運び込まれたようでした。
長男は病院に着いて暫くは目を閉じていましたが、診察中に目を覚まし、急に泣き出しました。
その時に医師に、
『良かった。このまま目を覚まさなかったら脳波を診るつもりでした』
と言われました。
その後の診察は特になく、ダイアップという坐薬を使用してください。と。
ダイアップの使い方など、説明を受けて帰宅になりました。
長男は私の腕の中で寝ていましたが、私はどうしてもあの時の長男の顔が忘れられず、診察が終わってからも震えていました。
義父母に事情を話し迎えに来てもらっている間、病院の待合室の椅子に座っていましたが、ぼーっとしながら長男の歪んだ顔ばかりが浮かびました。
旦那はそばに居ませんでした。
何処にいるんだろう。と後ろを振り返ると、少し遠くの方で、壁に寄りかかって下を向く旦那を見つけました。
肩を震わせていました。…泣いているようでした。
その姿を見て、私はまた泣きました。
きっと、旦那も相当怖かったんでしょう。
救急車の中では、『大丈夫だから』とパニックになりそうな私の背中をさすってくれていたんです。旦那も震える思いだったんだな。と思います。
その後は熱性けいれんを起こす事もなく、長男は何もなく過ごしています。
この経験があったから、発熱時に無理に熱を下げない方がいいと分かりました。
私はあの日、長男の熱を早く下げたくて、小児科でもらった解熱剤を使ったんです。
薬の効果が切れて、再度熱が上がる時に熱性けいれんを起こしたようです。
それ以来、子供の発熱では解熱剤を使いません。
勿論、小児科にはきちんと診せます。
今のかかりつけの小児科では、発熱しても解熱剤はほぼ出しません。
あの時の恐怖は今も忘れませんね。
暫くは、思い出しては泣いてました。
ーーーーーーーーーー